災害対策本部の仕事

さまざまなインシデントや危機に対応するための方法を書いていきます。

金正男氏はなぜ殺害されたのか?、「帰国命令無視した」ことが原因・元北朝鮮高官、金正男氏・過去の世襲批判悔い「許して」と漏らす、毒針は北朝鮮・偵察総局がよく使う手段、米韓軍事作戦トップの斬首作戦が承認される、等

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(画像:アンサイクロペディアよりリンク)

北朝鮮の第2代最高指導者金正日長男で、第3代最高指導者金正恩の異母兄である金正男氏がマレーシアの空港で暗殺されました。

 

誰が、どのような動機で殺害を企てたのでしょうか?

この殺害の結果、北朝鮮をめぐる状況はどうなっていくのでしょうか?

 

北朝鮮の動静は、日本の先行きを考える上でも、企業の経営を考える上でも、必要な情報だと考えておりますので、本日は殺害事件に関する情報をお伝えします。

 

なぜ殺害されなかればならなかったのか、その理由まではわかりませんが、一つには次の報道のような背景があったと考えられます。

 

北朝鮮と関係の深かった中国は、次第にコントロールできなくなってきた金正恩に替えて、金正男体制の構築をもくろんでいたという報道です。これは奇しくも、ほぼ1年前のニュースです。

「北朝鮮の政権内部に、正男氏とのコネクションを持つ親中派がいるのは事実。したがって中国としては、軍事クーデターや反乱などで長期化するのを避けるべく、彼らと連携し、今の北朝鮮指導層の一部をそっくりすげ替える“宮廷内クーデター”が理想的なシナリオなのです」(井野氏)

www.excite.co.jp

金正男氏はたびたび北朝鮮に帰国していたようですが、どこかで風向きが変わります。

 

一時期は北朝鮮の体制について公然と批判しており、また暗殺などの危険から中国が身辺警護していたとの情報もあるなかで、こんな弱気な一面も見せていました。

headlines.yahoo.co.jp

 

さらに時が経ち、帰国すると身に危険があると判断されるような状態になっていたようです。これが直接の原因かどうかはわかりませんが、帰国命令を無視したのは事実のようです。

www.wowkorea.jp

 

さらには、金正男氏の長男も行方がわからなくなっています。軟禁されているのか、身を隠しているのかはわかっていません。

www.wowkorea.jp

 

殺害の手段には、北朝鮮の足跡が濃厚に残っています。

 正男氏は現地時間の13日午前9時、マレーシア・クアラルンプールの空港で女性2人に毒針で殺害されたと伝えられた。容疑者の2人は犯行後、タクシーに乗って逃走。現在、マレーシア警察当局は2人を北朝鮮のスパイと見て捜査を広げているという。過去に北朝鮮の偵察総局は数回、テロの手段として毒針など毒劇物を使用してきた。

headlines.yahoo.co.jp

もし中国が身辺警護をしていればそもそも現場で手出しができなかったはずですが、あっけなく暗殺が成功しているので、そういう状態になかったと考えられます。

 

では中国はなぜ手を引いたのでしょう?

もしかすると、もう金正男氏は必要なかったのでしょうか?

 

彼が必要がなくなるということは、つまり北朝鮮の国家体制を転覆ないしは指導部を更迭するための、別の有効な手段を見つけたということになります。

 

今日のエントリーの冒頭の記事では、「宮廷内クーデター」というソフト・ランディングがベストシナリオと考えられていたと書かれています。ソフト・ランディングの手段に興味をなくしていたのであれば、何らかのハード・ランディングが企画されていると見ることもできます。

 

トランプ大統領は、安倍総理との首脳会談直前に、中国の指導者・習近平に1本の電話をかけていました。

www.bbc.com

 

普通に考えれば、この直後に実施された日米首脳会談に「尖閣」が盛り込まれることを見越して、中国を過度に刺激しないように配慮したと見ることができます。

ですが、なぜ、日米首脳会談の直前になって、しかもわざわざ、直接、トップに電話で伝えたのか?(大使館経由でもお得意のTwitterでもいいじゃん?)ということが、とても気になっていました。

 

ここから先は、私の想像力の飛躍です。

笑ってお読みください。

 

考えすぎかもしれませんが、こんな電話をするということは、そして中国が彼の身辺警固から手を引いたということは、両国が電話の前後にハード・ランディングをめぐる手打ちを行った可能性がなくもない…と思うのです。

 

トランプ大統領はビジネスマンです。政治ではなくディールを行った匂いをどうしても感じてしまいます。つまり「ひとつの中国」を認める代わりに北朝鮮への軍事行動を認めさせて、現政権打倒後に親中国政権をつくることを黙認するというディールです。

 

中国にとって悪い取引ではないと思います。少なくとも自分たちの国境の隣に、勝手にミサイルをぶっ放したり核開発をしたりする独裁者がいなければ、心配は減ります。 

 

中国が金正男氏の暗殺を黙認したとしたら、米国から提案されたハード・ランディング案への「Deal!(それ乗った!)」という返信だったようにも見えてきます。

 

さらに妄想をたくましくすると、この暗殺は「北朝鮮が実施したように見せかけて米国または中国が実施した作戦」かもしれません。そしてトランプ大統領の電話は、オペレーション開始の符牒だったのかも。

 

ま、ここまでいくと出来の悪いスパイ小説のプロットみたいになってきますが。

 

 

そしてこんな情報もあります。

米韓ではトップの暗殺「斬首作戦」をも含む軍事作戦を承認してします。

japan.hani.co.kr

 

この作戦はいつ発動されるのでしょうか?

そのとき、日本にはどのような影響があるのでしょうか?

自衛隊は派兵されるのでしょうか?