災害対策本部の仕事

さまざまなインシデントや危機に対応するための方法を書いていきます。

アスクル倉庫火災・なぜ長期化?原因究明始まる、熊本地震被災の中小企業へ補助、JR東海・新幹線の地震脱線対策、東京サマーランドでテロ訓練、ヤマト宅配総量抑制へ

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(画像:サイトResponse.jpよりリンク)

アスクル倉庫火災・なぜ長期化?原因究明始まる

アスクル倉庫の火災は、なぜ日本の優秀な消防隊の総力を持ってしても鎮火までに6日間もかかったのでしょうか?

2月20日時点のNHKニュースには、すでにこのような情報がありました。

  • 保管されていたスプレー缶に引火したと見られる2度の爆発があり、再び火が強まりました。
  • 消防は、建物の2階と3階には窓がほとんどなく、外からの放水が難しく、屋上にはソーラーパネルがあり、水をかけると、消防隊員が感電するおそれがあるため、直接、放水することができませんでした。
  • 建物の中の温度が一時、500度に達し、熱で壁がゆがむなど倒壊のおそれもあり、慎重に活動する必要があったとしています。

www3.nhk.or.jp

 

同じく20日時点でのニュースにおける、大学教授の指摘です。

  • 倉庫には段ボールなどの可燃物が多く、一度、火がつくと激しく燃え広がりやすい。
  • 一方で、窓が少ないため、火元に直接、放水しにくく、消火活動が難しい。
  • 火の広がりを防ぐ壁やシャッターも倉庫内には少ないため、初期消火ができないと一気に火が燃え広がり、鎮火までの時間がかかる。

www3.nhk.or.jp

 

原因究明のために、国は専門家を派遣しました。

総務省消防庁は地元の消防を支援するため、消防研究センターの専門家ら、合わせて9人を現場に派遣しました。

今後、防火設備や設置環境、保管していた物など、運用の実態を調べるとともに、窓が少ない構造で消火に時間がかかったことなどもあわせて、大規模な倉庫の防火対策の課題についても調べることにしています。

www3.nhk.or.jp

 

アスクル様は、これから膨大な事後処理と業務の継続を行う必要があります。そして、これも火災の事後処理のひとつです。

 「火災保険が下りるかどうかは、『重過失』の有無が重要になります。個別の事案によりますが、引火の恐れがあったのにたばこを吸う、機械が故障しそうなのにそのまま放置していたなどであれば、過失とみなされるでしょう。(後略)」

www.nikkan-gendai.com

 

 

熊本地震被災の中小企業へ補助

たいへんありがたい支援だと思います。国の仕組みに感謝します。

経済産業省は、熊本地震「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」の第6回交付先として熊本県の89グループに対し14億円、大分県の5グループに対し1億円を交付すると発表した。

単なる資金の給付だけではなく、業務の支援もあるそうです。

既存施設への復旧では、事業再開や継続、売上回復が困難な場合、これに代えて新分野需要開拓を見据えた新たな取り組みも支援する。

response.jp

 

JR東海・新幹線の地震脱線対策

新幹線の安全性については、すでに世界から高い評価を得られていますが、さらなる安全への投資が行われます。

東海旅客鉄道(JR東海)は23日、震災時などに東海道新幹線の列車脱線を防ぐ設備を東京―新大阪の全区間、約1070キロメートルに設置すると発表した。2016年度末では約430キロメートルで対策済みとなるが、熊本地震などの知見を踏まえ、28年度をメドに全区間に広げる。投資額は実施済みを含めて総額2100億円になる。

www.nikkei.com

 

 

東京サマーランドでテロ訓練

動画を見る限り迫真の訓練ですね。人質事件の解決そのものは警察にお願いすることになりますが、テロの対象となる組織には、通報のみならず、現場環境の保全やお客さんの避難誘導などの仕事が発生します。訓練は重要です。

news.tbs.co.jp

 

 

ヤマト宅配総量抑制へ

個人的な意見になりますが、「即日配送」は不要です。極めて利便性が高くありがたいサービスではありますが、それがめぐりめぐって「社会のコスト」になることには賛同できません。

 

頼んだものが「明日来る」のもありがたいですが、その送料が一律である必要はないと思います。より早く来るサービスには、適度な競争で鍛えられた上乗せのコストをお支払したいです。

 

個人の利便性を求めるあまり、物流業者やネット販売業者が総倒れする、あるいは一社だけが勝ち残って選択の余地がなくなる、という事態は避けて欲しいです。

 

ヤマト運輸の労働組合が2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の抑制を求めたことが22日、わかった。人手不足とインターネット通販の市場拡大による物流危機で長時間労働が常態化。「現在の人員体制では限界」として、要求に盛り込み、会社側も応じる方向だ。 

www.nikkei.com