災害対策本部の仕事

さまざまなインシデントや危機に対応するための方法を書いていきます。

3.11を上回る広域避難145万世帯、震災6年エネルギー政策迷走の代償、逮捕の女「自室に放火」、栃木住宅火災5人死亡の間取り、ミサイル落下前の情報提供「不可能に近い」他

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(画像:日経アーキテクチャ様からリンク)

3.11を上回る広域避難145万世帯

南海トラフ地震が起こった場合の広域避難者は、東日本大震災で転居した33万世帯の約4倍以上にあたる145万世帯が避難をするという試算が出ました。

マグニチュード(M)9級の南海トラフ巨大地震が発生した場合、住んでいる自治体を離れて広域避難を迫られる世帯は、最大で約145万6千世帯に上るとの試算を、東京大の広井悠准教授(都市防災)らのチームが13日までにまとめた。東日本大震災では同じ自治体内も含めて約33万世帯が転居したが、それを上回る恐れがある。

もしこれが現実になった場合、自治体や地域が立ち行かなくなることが心配されています。事前復興プランが重要視される所以です。

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震災6年エネルギー政策迷走の代償

産経新聞の記事なので「原発推進」的なトーンです。

個人的には原発が良いとは思いませんが、日本の産業が高い国際競争力を持つためには、安価で安定したエネルギー供給が必須であることは言うまでもありません。

「火力頼み」だけでは策がないと指摘されても仕方がありません。

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逮捕の女「自室に放火」

原発の安全対策に高いコストがかかるのと同様に、障害者の施設にも防火・防犯のための安全対策が必要であり、それにはコストがかかります。

そして適正なコストでなければ、あらゆる施設・サービスは成り立ちません。

放火されたと思われるこの施設では、法的な基準をクリアしていましたが、それでもスプリンクラーは設置されていませんでした。

総務省消防庁は消防法施行令を改正。障害の程度を6段階で示す「障害支援区分」で4以上の入居者が8割を超える施設などにスプリンクラー設置を義務づけた。だが「ひだまりⅢ」はその割合に達しておらず、設置義務の対象から外れていた。施設側は割合が上がることも想定し、今春の設置を目指して取り付け工事を進めていたところだった。

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そもそもスプリンクラーがあったところで、今回のような「放火」に対処できたかどうかはわかりません。

設備任せではなく、やはり人が管理、運営、そして危機にも対処できる仕組みがないと、このような事案は防げないと思われます。

すべての火災は(1)火の発生、(2)初期消火の失敗が原因です。この2つを防ぐための体制と設備を考え、実装し続ける根気が必要です。

 

 

栃木住宅火災5人死亡の間取り

この火災は、一家族5人が同時に亡くなるという衝撃的な被害があったためか、さまざまな新聞や雑誌の紙面で紹介されていました。

この記事は極めて詳細な解析が載っており、たいへん参考になります。やはり一酸化中毒は怖いです。

火災警報機が未設置と見られていますが、もし警報機があって作動していれば、2階で亡くなった4人が助かっていたかもしれません。

出火当時、外出していた次男に栃木県警が聞いた話によると、CO中毒死した妻と長女、孫の3人は、2階の南東側の寝室で普段寝ていた。この寝室は台所から多少離れているが、COは階段を通って2階に素早く上がり、ドアの隙間やアンダーカットなどから寝室に侵入したとみられる。

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ミサイル落下前の情報提供「不可能に近い」

事前の警報が無理だとすると、「撃たせない」「撃つ前に叩く」「撃たれた後で叩き落とす」しか方法がありません。

撃たれた後についてはさまざまな配備が進んでいるようなので、残る対処方法としては「撃つ前に叩く」の手当を考えるしか選択肢がありません(「撃たせない」ための方策がひとつも成功していない)

それはお国に任せるとして、民間レベルの我々としては、警報と同時に迅速に身を隠すのが精一杯の初動となります。

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金正恩氏の精神状態が焦点

産経新聞なので記事の最後がサヨク批判になるのは「まあご愛嬌」(笑)

しかし指摘は現実的かつ正論で、ところどころ背筋が寒くなります。

国内では側近に裏切られる悪夢にさいなまれ疑心暗鬼に陥り、国外では米韓連合軍の金指導部崩壊作戦が現実味を持ち始める中、30歳前半の若い指導者が錯乱せず、正常な判断を保てる保障はない。

ICBMの発射実験の着弾地点がどこであろうが、一定の能力を示せば、トランプ政権は黙ってはいまい。暗殺か、空爆→進攻か…など、規模はともかく、朝鮮半島は有事となる。半島有事になれば、わが国も「日本有事」という認識を持たねばならぬ。

 おびただしい数の難民が日本に押し寄せるためではない。北朝鮮は、在日米軍を朝鮮半島有事ぼっ発時の防空網制圧作戦の出撃基地であり、兵站(後方支援)基地だと見抜いている。有事となれば、既に200~300基も実戦配備している弾道ミサイル(ノドン)で、日本を攻撃してくるに違いない。

よく北朝鮮の声明で「ソウルを火の海にする」などという表現が用いられていますが、日本とて例外ではないという指摘です。長文ですがご一読をお薦めします。 

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