災害対策本部の仕事

さまざまなインシデントや危機に対応するための方法を書いていきます。

糸魚川市で被災したすし店の女将の言葉にみる、日本人らしいBCP(事業継続計画)のこころ

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(画像:読売新聞サイトよりリンク)

糸魚川市の火災は多くの人の日常を奪いました。

mainichi.jp

こんな悲惨な体験をしながらも、お客さんを最初に心配するすし店の女将さんの言葉にはっとさせられます。

朝日新聞の記事より。

年の瀬のすし、正月のおせち料理の予約帳が燃えてしまったことを悔やむ。「お客さんに申し訳ない。予約帳だけでも持ち出したかった。再開したいけど、時間がかかってしまいそう」と語った。 

digital.asahi.com

私は多くの企業のBCP(事業継続計画)策定支援にかかわってきましたが、これらお客様がたは、まず最初に「お客様に申し訳ないことはしない、できない」というところから発想されることが多かったように思います。

 

BCP=事業継続計画というときの「事業」は、一般的には自社の事業を指します。ところが多くの日本人は「お客様の事業を停められない」というところから発想するようです。そのような現場を多く見てきました。

 

ところが日本におけるBCP(事業継続計画)の教科書には、自社の事業を停めないための方法論しか書いてありません。「どうやったらいいのか?」と戸惑われるのも致し方ありません。このブログでは、この作り方を述べていきます。

 

これだけの火災だったのに、また高齢者が多くいる町だったのに、亡くなった方はいらっしゃいませんでした。避難のしかたも日本人らしい配慮があふれていました。 

「火が迫ってきたので、逃げてきたけれど、市役所の避難所は遠すぎる。自宅を近くで見守っていたいから、しばらくここにいさせてくれませんか?」

家族の思い出が詰まった家を見捨てることができない。そんな女性の願いを、同店を営む小竹慎太郎さん(46)は即座に理解した。市による避難勧告は知っていたが、店は風上だ。事務所を「避難所」として開放し、いざとなれば自分が安全な場所に誘導しようと小竹さんは考えた。

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神戸の地震以来、自助・共助・公助という言葉に加えて、さいきんでは「近助」という言葉も使われます。

大きな災害が起こったときに、日頃から顔を知っていて挨拶する人々が心配になるのは自然なことです。何かあったときのためにも近隣とのおつきあいをするというのは大事ですね。