WHO警報、中国で高病原性鳥インフルエンザH7N9のヒト-ヒト感染が発生(続報)
まず最初に、昨日配信した記事の誤りを訂正いたします。
昨日ご紹介したWHOのリスク・アセスメント報告書(以下リンク)ですが、これは2015年2月23日に発表されたものでした。
WHO RISK ASSESSMENT of Human infections with avian influenza A(H7N9) virus
この中の記述で以下のような内容を翻訳してご紹介しました。
ヒト-ヒト感染の形跡
現在までの情報によれば、継続的なヒト-ヒト感染の形跡は認められない。しかしながら少数の感染クラスターにおけるヒト-ヒト感染の可能性が除外できない。
中国本土全体で合計17の家族感染のクラスターが見つかっており、そのすべてのケースで他者との接触の経緯が調査された。そのうちひとつのクラスター(3人家族)で2人が発症している。
これは2017年の感染状況ではありませんでした。お詫び申し上げます。
さて、ということは2015年も限定的なヒト-ヒト感染が起こっていたものの、その後は感染拡大しなかったということになります。
最新の状況をお知らせします。WHOのサイトよりリンク。
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
この中に以下のような記述があります。
2つのクラスターが報告された。
最初のクラスタ: 江蘇省蘇州市の66歳の男性。彼は2016年11月25日に症状が現れ、2016年11月28日に入院し、2016年12月12日に死亡した。彼は生きている家禽を扱う市場でウィルスに暴露された。
江蘇省蘇州市の39歳の女性。彼女は2016年12月8日に症状が現れ、同日に入院した。彼女は66歳の男性の娘です。報告時に、彼女は重度の肺炎に苦しんでいた。 66歳の男性と39歳の女性との間のヒトからヒトへの感染は否定できない。
第2のクラスタ: 安徽省合肥市の66歳の男性。彼は2016年12月16日に症状が現れ、2016年12月17日に入院し、2016年12月20日に死亡した。彼は生きている家禽を扱う市場でウィルスに暴露された。
安徽省合肥市の62歳の男性。彼は2016年12月22日に症状が現れた。彼は66歳の男性と同じ病棟に入院した。現在は重篤な容態。 66歳の男性と62歳の男性との間のヒトからヒトへの感染は否定できない。
とはいうものの、WHOはさらなる感染拡大には否定的です。
鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト症例の小規模な集団が医療従事者を含むものを含めて報告されているが、現在の疫学的およびウイルス学的証拠によれば、このウイルスはヒト間で持続的な伝達能力を獲得していない。入手可能な情報に基づいて、さらなるコミュニティレベルの普及は考えられない。
当面は、情報収集を行いつつ静観で良いかと思います。